豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました

寿司ネタについて歴史、文化、科学の観点から語る

(14)カスゴダイ 親の七光りとは失礼な  スズキ目タイ科チダイ属

カスゴ(春子)は、シンコ(新子)と並んで、マンガ「将太の寿司」が有名にした寿司ネタだろう。アンパンマンにとってのばいきんまん。ホームズにとってのモリアーティ。そんな存在が、高級寿司割烹「碧寿司(みどりずし)」の二代目店主兼寿司職人の紺屋碧悟(こうや へきご)だ。

初代の父は人格者だったが、息子の碧悟は腕はよくても傲慢かつ悪辣卑怯な性格。新人コンクールの将太との対戦で、テーマの光り物を買い占める。さらには、将太たちが自前で手に入れた黄金のサバを冷蔵庫の電源を切ってダメにしようとした。

しかし、自信満々に出したカスゴで敗れる。店の常連である上客に「今の君は親の七光りをまとっている未熟なカスゴでしかない」と酷評、絶縁を言い渡される。「全国のカスゴに謝れ」とつっこまれそうなひどい言いぐさだ。

さて、この作品では、カスゴは魚の王様マダイの子どものような印象を受けるが、本来のカスゴはチダイの幼魚だったとされる。マダイの幼魚よりチダイの幼魚の方が赤が鮮やかだからだ。将太の寿司は作者が熱心に調べて書いてるようだが、肝心なところで詰めが甘い。

ちなみに寿司大で「このカスゴは何の子どもですか?」と聞くと、「ハナダイです」。

ややこしい。ハナダイは関東ではチダイの別名なのだが、ヒメハナダイなど全く別なハナダイ科の魚がいる。

そして、今では、マダイやキダイの子どももカスゴという。

「網の中に一緒にかかる感じですか」

「マダイ、チダイ、キダイの幼魚が混ざっているけど、使われるのはチダイが一番。マダイの幼魚は色が鮮やかでない」

「だから、チダイは赤くなる仕組みがマダイと違うんじゃないかと思うんですよね」

「それは、ぼくも思った。今度調べてくださいよ」

宿題ができてしまった。

チダイの幼魚カスゴダイ

◆今日の21貫

淡路島真鯛、秋刀魚、北海道のボタンエビ、シロギス、シンコ3尾付け、サゴシ、ウッカリカサゴ、鹿児島カンパチ、島根ヤリイカイワシ、北海道青柳、車海老醤油、茨城スミクイウオ、淡路島の釣り鯵、東京湾のアラ、東京湾のホウズキギンボ、北海道の生ニシン、春子鯛昆布〆、キス醤油、サゴシ腹醤油、ウニ、平目

ホウズキギンボ

今日のシンコは3尾付け



◆そのほか

お通し 北海道の生ミズダコ

ツブ貝刺身

ええ、撮り忘れてました

卵焼き、中落ち巻き

◆今日の酒

新政No.6、大信州