マンガ「将太の寿司」に出てくる将太の兄弟子、小畑慎吾の呼び名はシンコ。名前のシンゴとかけ、コハダになれてない半人前みたいな意味だ。だが、シンコのこの扱い、寿司通の間では「間違ってる」と評判が悪いようだ。まるで、シンコが安物みたいに描かれているからという。
光り物の代表格コハダはコノシロの幼魚。コノシロは、シンコ、コハダ、ナカズミ、コノシロと名前が変わる出世魚だ。
コノシロは下魚扱いの安い魚。これに対し、シンコはキロ当たり数万円の卸値がつくこともある。親の何十倍もの値段だ。コハダもはしりの時期は高いが2000円ぐらいで落ち着く。コノシロは出世するほど値段が下がるのだ。
「どうして、こんなことになるんですかね」
「シンコはすぐに大きくなります。あるのは2、3週間だけ。貴重なんです」
コハダの寿司1貫は半身の1枚付け。この日の寿司大のシンコは5枚付けだ。小さいからさばくのも締めるのも大変。それを5倍やるわけだ。酢で締めた光り物はちょっと苦手なのだが、このシンコは全然違った。
この日は豊洲があまりにも閑散としているのでびっくり。地震デマのせいで、インバウンドが急に減ったそうだ。
◆今日の店長おまかせ8貫
塩釜トロ、北海道松川ガレイ、鰆、徳島釣り鯵、日立スミクイウオ、小笠原メカジキづけ、山口県煮アワビ、静岡カツオ漬け
タコ、卵焼き、巻物
追加 利尻の塩水シロウニ、東京湾のエボダイ、真鯛、平目、スズキ、アイナメ、天草シンコ
◆そのほか
お通し タコ
生ニシン刺身、えんがわ、岩ガキ
◆今日の酒
日高見超辛口、十勝純米