豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました

寿司ネタについて歴史、文化、科学の観点から語る

(11) 新子 出世するほど評価が下がる ニシン目ニシン科コノシロ属

マンガ「将太の寿司」に出てくる将太の兄弟子、小畑慎吾の呼び名はシンコ。名前のシンゴとかけ、コハダになれてない半人前みたいな意味だ。だが、シンコのこの扱い、寿司通の間では「間違ってる」と評判が悪いようだ。まるで、シンコが安物みたいに描かれているからという。

光り物の代表格コハダはコノシロの幼魚。コノシロは、シンコ、コハダ、ナカズミ、コノシロと名前が変わる出世魚だ。

コノシロは下魚扱いの安い魚。これに対し、シンコはキロ当たり数万円の卸値がつくこともある。親の何十倍もの値段だ。コハダもはしりの時期は高いが2000円ぐらいで落ち着く。コノシロは出世するほど値段が下がるのだ。

「どうして、こんなことになるんですかね」

「シンコはすぐに大きくなります。あるのは2、3週間だけ。貴重なんです」

コハダの寿司1貫は半身の1枚付け。この日の寿司大のシンコは5枚付けだ。小さいからさばくのも締めるのも大変。それを5倍やるわけだ。酢で締めた光り物はちょっと苦手なのだが、このシンコは全然違った。

この日は豊洲があまりにも閑散としているのでびっくり。地震デマのせいで、インバウンドが急に減ったそうだ。

5枚付け。天草のシンコ

◆今日の店長おまかせ8貫

塩釜トロ、北海道松川ガレイ、鰆、徳島釣り鯵、日立スミクイウオ、小笠原メカジキづけ、山口県煮アワビ、静岡カツオ漬け

タコ、卵焼き、巻物
追加 利尻の塩水シロウニ、東京湾エボダイ真鯛、平目、スズキ、アイナメ、天草シンコ

◆そのほか

お通し タコ

生ニシン刺身、えんがわ、岩ガキ

生ニシン


◆今日の酒

日高見超辛口、十勝純米