豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました

寿司ネタについて歴史、文化、科学の観点から語る

(24)真鯛 釣った鯛に海老はやらないので、化粧品の原料を食べてます スズキ目タイ科マダイ属

鯛の語源は「平らな魚」とされるが、魚の王者という意味で「大位(たいい)」から来ているという異説もある。平べったい魚はとりあえず「○○ダイ」と名が付くぐらい魚の代名詞だ。鯛がめでたいとされるのはその鮮やかな朱色ゆえだが、実は生まれつき赤いわけではない。
養殖研究が始まったころ、いけすで育てたら黒いタイになった。タイのいる海底には紫外線が届かない。いけすは浅いため、紫外線で日焼けしてしまう。現在はいけすをカバーで覆って防いでいる。だが、問題は日焼けだけではない。小魚や人工飼料だけで育てると、赤くならないのだ。
色のもとはエビやカニの持つアスタキサンチンというカロテン類。「エビなどの甲殻類を食べさせると赤くなるとわかっていたが、そんな高い餌は使えなかった」という。海老で鯛を釣るというが、まさに「釣った鯛にエビはやらない」である。ちなみに、最初はとった鯛の養魚を育てる蓄養だったが、今は、養殖魚から卵をとって人工孵化させる完全養殖だ。
研究者は苦労を重ねた。
パプリカなど植物性の色を試したところ、ミカンの皮みたいな黄色っぽい赤になってしまった。マダイより小さめで、エビを食べなくても赤くなるチダイをマダイと掛け合わせ、「マチダイ」もつくった。マダイよりはやや小さく赤い。
実は、エビやカニなど動物は自分ではアスタキサンチンをつくるわけではない。アスタキサンチンは藻類などがつくる。それを食べたエビやカニが赤くなるのだ。カボチャのベータカロテンやトマトのリコピンなどより強力な抗酸化作用があるとされる。これらは動物と違って日陰に逃げて紫外線から身を守ることができない植物や藻類がつくる。エビやカニはそれらを食べて、殻や皮などの表面にアスタキサンチンをため、紫外線の害から体を守っている。 海の底にいるマダイになぜアスタキサンチンが必要なのかはわからない。
クロレラの仲間のケイ藻類「ヘマトコッカス」からアスタキサンチンを集めたものなど天然のアスタキサンチンもある。人間向けのサプリや肌クリームに使われている。
マダイの餌には最初、化学合成のアスタキサンチンを混ぜていた。天然のアスタキサンチンは3倍以上の値段だったからだ。ただ、人工のアスタキサンチンを使うと色合いが違うそうだ。今は天然由来のアスタキサンチン使用とうたっている養殖マダイもある。

◆今日の26貫

真鯛サヨリ、サワラ、北海道ボタンエビ、メカジキ、宮城鰤、煮アワビ、鹿児島カンパチ、ヤリイカ3点セット(げそ、エンペラー、身)、松皮ガレイ、淡路島鯵、青森平目、茨城金目鯛、宮城のカマス、青柳、東京湾タチウオ、コハダ、北海道松皮ガレイ、鹿児島カスゴダイ、宮城の白魚、車海老醤油、浜中うに、煮ハマグリ、カワハギ

◆そのほか
お通し 生タコ

つぶ貝炙り、三重の〆鯖、大分カワハギ



卵焼き、中落ち巻き

◆今日の酒

超辛雪の美人の湯、山城屋、鶴齢