夏が突然終わり、急に冬が来た。
お歳暮や正月の贈答品になる年取り魚といえば東日本では荒巻鮭が常識。西日本ではブリ(鰤)だというのは関西に住んでから知った。漢字の由来も師走が旬だからという説がある。
そして、ブリと言えば、氷見(富山県)のブリが全国に知られる高級ブランド。
富山湾には冬場、北の海で栄養を蓄えたブリが南下してくる。氷見の港は、その漁場からもっとも近く、ブリの水揚げ地として知られるようになった。地の利だけでなく、魚を傷めにくい越中式定置網漁法を古くから使い、魚をすぐに氷水で処理するなどの努力も重ねてきたそうだ。
ただ、名前だけでありがたがるのも、いかがなものか。氷見市の隣の七尾市(石川県)に出張した際、タクシーの運転手が「能登の観光客が旅館で同じ魚が出ているのにわざわざ氷見にブリを食べに行く」とぼやいていた。
「七尾の船も氷見の船もブリを取っている漁場は同じですよ。刺し身で味わってもらうのが一番だから調理法の違いもないし、違うとすればしょうゆぐらい。七尾の漁師も氷見の方が高値がつくから氷見で下ろしてます」。
店長「氷見のブリはバカにしてるような値段。ここ数年ほんとにひどい。往々にしてドコドコの何々が好きだよみんな。結局は発信力」
似たような話はマグロでもある。一本釣りがテレビ番組で有名になった大間(青森県)のマグロ。対岸の戸井(北海道)は20kmも離れていない。同じ漁場で取っているのだ。寿司屋は仲卸の目利きを信じ、その日一番良いものを仕入れる。客も産地信仰はやめよう。自分の舌を信じるべきだ。

◆今日の会話
「今年はサバはないんですか」
「過去何十年で最悪な不漁。半年ぶりにゴマサバ入れたけど全然。取り引きのある店
置いてあるけど、どう?って聞くと、お客さんいなくなるからやめときなだって。自分で売っといて」
◆今日の24貫
千葉のイシガキダイ、千葉の真鯛、鰯の幼魚、北海道の松川カレイ、三重のサワラ、赤貝、山口のカンパチ、青森平目、松川カレイのエンガワ、東京湾の春子鯛、塩釜生のメカジキ、タチウオ、羅臼のぶり、茨城スミクイウオ、徳島鯵、東京湾鱚、千葉チヌクロダイ、北海道ホッキ貝、銚子キンメダイ、車海老、北海道秋刀魚、石川カマス醤油、塩釜マグロ中トロ、浜中ウニ


その他
お通し 生蛸

卵焼き
中落ち巻き
◆今日の酒
寒菊電照、寒紅梅三重、今世司black


